工法紹介
ハンガーネット
概要
ハンガーネットは従来型のポケット式落石防護網に対して、高エネルギーの落石に対し、落石を受け止め、斜面下方に誘導、法尻部で落石を停止させるという3つの機能を備えた落石防護網です。
それらの性能は数々の実物大実験により確認されており、特に高い安全性を求められる箇所について有効な工法です。
特徴
全容
従来のポケット式落石防護網の課題であった
(1)ネットが破断し易い
(2)法尻で落石が抜け出す
(3)アンカーが破断し易い
という点について、従来のロープが主体構造から高強度ネットを主体とした構造に転換し、さらに支柱間隔を広げることで、より大きな運動エネルギーの落石に対応できる構造としています。そのため、落石の衝突箇所の違いによる捕捉機能の低下が少ない構造です。
構造
- 高強度硬鋼線のより線を使用して落石捕捉面の強度を向上しています。
- 支柱間隔を15m~30mとすることで、起伏にとんだ地形等への適応性を向上しています。さらに、ワイヤロープにエネルギー吸収材(HGNブレーキ)を設けることで、エネルギー吸収能力を高め、アンカーに伝達する荷重を軽減する構造としています。
- 法尻部まで誘導された落石の抜け出しを防止するため、抜け出し防止ネットを付加できる構造としています。
- 支柱を高くする(~8.0m)ことでポケットの容量を大きくしています。
適用範囲
捕捉対象落石 | 落石の運動エネルギー1,000kJ以下 |
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誘導可能落石 | 長い急斜面において12.5ton以下の落石を誘導・停止させることが可能。(落石の位置エネルギーは4,540kJ以下) |
タイプ区分 | 落石のエネルギーに応じて以下の3つのタイプがあります。 HGN-T300 可能吸収エネルギー:300(kJ) HGN-T550 可能吸収エネルギー:550(kJ) HGN-S1000 可能吸収エネルギー:1000(kJ) |
基本構造 | 支柱高 3.0~8.0m 支柱間隔 15~30m |