工法紹介
LBD-500
概要
LDB-500(ローディフレクションバリア、小変形バリア)は下記のコンセプトの元に開発されました。
- 保全対象物(道路・鉄道・民家等)に近接して設置が可能で、落石捕捉時の変形量を可能な限り小さくすること。
- 限られた用地の中で設置が可能なように、防護柵の占有面積を小さくすること。
- 落石捕捉性能は実物大実験等により確認されること。
実物大実験、解析を幾度も行い、運動エネルギー500kJの落石に対して、自立支柱方式(支柱補強型落石防護柵)の構造で、柵の変形量を1.3mにとどめることができました。 設置対象箇所は斜面地山および山留擁壁天端付近の両方で、保全対象物に近接した箇所で設置可能な防護柵です。
特徴
構造
リングネット落石防護柵のように捕捉面(ネット)の大きな変形を許容せず、防護柵全体で効果的に衝撃エネルギーを吸収し、支柱の根入れ部に荷重を伝搬させるため、以下の点に工夫を行っています。
- 支柱の剛性を高めるため鋼管の内部にH型鋼を入れた構造としています。
- 捕捉面は高強度ネット(TECCOネット)に加えて、横方向ワイヤロープを配置し、各ロープに緩衝装置(Uブレーキ)を接続する構造としています。
- 落石衝突時のワイヤロープ間のすり抜けを防止するため、ワイヤロープの間隔保持材を取り付けています。
- 落石衝突時の荷重をできるだけ防護柵の広範囲で受け持たせるため、支柱の頭部を連結し、支柱と連結部材の接続部を柔軟かつ強靭な構造としています。
これにより、落石衝突後の柵高低下を防ぐ構造としています。
性能検証
実物大実験により落石の捕捉性能および変形量を確認しています。
実物大実験については落石対策便覧(平成29年12月)の規定に準拠しています。
適用範囲
防護柵の仕様は下記となっており、柵高が3.0m~5.0m、支柱間隔が5.0m~10.0mで現地状況に応じて柵高選定と支柱配置ができる仕組みとなっています。