工法紹介

TXI落石防護柵

概要

TXI落石防護柵は最大100kJまでの落石に対して高強度菱形金網(TECCOネット)を自立式の支柱に接続した落石防護柵です。
緩衝装置は柵の両端部にのみ設置し、TECCOネットとワイヤロープは硬鋼線コイル(ヘリックススプリング)で接続されることで、防護柵全体の構造を単純化し、施工性と維持管理性を高めた防護柵です。
設置対象箇所としては斜面地山に直接設置、擁壁天端の両方に設置が可能です。

特徴

落石捕捉性能

スイスの実物実験場にて重錘の鉛直落下試験を行い、100kJの運動エネルギーの重錘捕捉と有意な柵の損傷がないことを確認しています。
また、落石対策便覧(H29年12月)に規定されている実物実験による性能検証方法にも適合しています。
また、現地に設置されたTXI落石防護柵が落石を捕捉した事例においても、保全対象物(道路)に対して道路の通行に支障することなく落石を捕捉し、維持補修についても損傷した一部部材の交換等で完了した事例があります。

構造

  1. 捕捉面に高強度金網(TECCOネット、素線引張強度 1,770N/mm以上、JIS規格金網より3~5倍の引張強度)を用いています。
  2. 支柱は自立式であるため、支柱頭部から斜面山側へ保持するワイヤロープがないため、狭い場所での設置も可能で、防護柵自体の占専有面積が小さくて済みます。
  3. 防護柵の両端部には支柱間を接続するワイヤロープ(サポートロープ)に接続するアンカーが、各1本必要となりますが、緩衝装置(ブレーキリング)を含む短尺のワイヤーロープ(リプレイスロープ)を介して接続する構造としていますので、ブレーキリングの交換が容易です。

施工性

防護柵全体が単純な構造で部材が少ないため、スピーディーな施工が可能です。

適用範囲

100kJまでの落石に対して、下記の仕様を定めています。 支柱間隔が6.0m~10.0mの範囲、柵の許容平面折れ曲がり角度が30°と支柱設置位置決定の自由度が高いため、起伏のある斜面への適用性が高いといえます。

説明動画